どうも!Aruです^^
今回は、一度は聞いたことがある「FIRE」という考え方について解説します。
そもそもFIREとは
「FIRE」とは「Financial Independence, Retire Early」の略で、直訳すると、「経済的自由と早期退職」という意味です。
この考え方は、働き盛りの間に貯蓄を重ね、一定の資産を築くことで、早期に退職し、その資産所得で経済的に自由な生活を送ることという考え方です。
アメリカの1981~1996年の間に生まれ、2000年代に成人した層を中心に流行し、ブログなどのインターネットによる情報発信を通じて世界に広まったといわれています。
その方法とは、年間の生活費の25倍の資金を貯め、それを年利4%で取り崩していくことで、退職後も元本(貯蓄した額)を減らさずに生活していけると試算されています。
この考え方は、投資で一般的に年利4%ずつ資産が増えると考えた場合に成り立ち、「4%ルール」と呼ばれます。
炎の意味じゃなく…「FIREしたい」ってなに? 巷で話題の言葉を解説します
FIREの具体的な5つのステップ
ここでは、FIREを達成するための手順を5つのステップで解説していきます。
ステップ1:目標の設定
まずは、自分がどれくらいの資産を築けばFIREを達成できるかを計算します。
これは、毎月または年間でどれくらいの生活費が必要かによって変わります。
例えば、毎月の生活費が20万円の場合、年間では240万円必要です。そして、4%ルールに基けば、240万×25年で6000万円の資産がFIREのために必要になると分かります。
ステップ2:収入の最大化と支出の最適化
次に、収入を増やす方法と支出を減らす方法を考えます。
収入を増やすには、昇給や転職、副業、などがあります。まずは今の会社や職業で収入がUPできるかを見直してみましょう。それが難しければ、転職や副業などのアイデアを試すと良いです。
支出を減らすには、無駄な出費を見直し、節約を心がけることが重要です。例えば、使わない不要な固定費を解約する、コンビニでの買い物を控えるなどです。
おすすめは、家計簿をつけることです。家計簿をつけることで今の自分がどれだけ支出があるかを客観的に見ることができます。
ステップ3:資産の形成と投資
節約したお金を貯蓄や投資に回します。月の生活費の3〜6ヶ月ほどの貯蓄があると安心です。
投資は株式や不動産、投資信託などがありますが、リスクを理解した上で行うことが大切です。
また、資産を増やすためには、長期的な視点でコツコツと資産を増やしていくことが重要です。資産形成については別で詳しく解説しているので、そちらも参考にして下さい。
ステップ4:リタイア後の生活設計
FIREを達成した後の生活も計画する必要があります。
「4%ルール」などの知識を活用しつつ、リタイア後は仕事をせずに生活するため、どのように時間を過ごすか、どんな趣味や活動に取り組むかを考えておくと良いでしょう。また、健康管理も重要です。
ステップ5:継続的な見直しと調整
市場の変動や個人のライフスタイルの変化により、計画を見直す必要があります。
定期的に資産状況をチェックし、必要に応じて投資戦略を調整することが大切です。そして、何より市場の変化を予期することは非常に難しいため、FIREをしている繋がりを作る、適切なアドバイザーへ相談するなどの行動も必要になります。
これら5つのステップを踏むことで、FIREを目指すことができます。ただし、FIREは高い目標ですので、計画的に進めることが成功の鍵となります。
FIREとは|達成するための条件とステップを解説【成功例付き】
FIREの5つの種類
FIREは現実的ではない。無理だ。そう考えている方も多いかもしれません。しかし、FIREと言ってもバリエーションがあり、ハードルの低いFIREもあります。
今回は、その5つの種類について解説します。
Fat FIRE(ファット ファイア)
イメージは欲張りなFIREです。Fat FIREは十分な資産を持ち、不労所得のみで生活できることを意味し、FIREの理想的な形です。
この文脈における十分な資産は、必要最低限の生計費を超え、娯楽や嗜好品など支出も含んいます。
そのため、目標とする資産所得の額も膨らみ、達成の困難度は最も高くなると言えるでしょう。
Lean FIRE(リーン ファイア)
イメージは最低限なFIREです。Lean FIREは、資産運用の運用益で生活していく方向けのFIREですが、そのために生活費を最低限に抑える方法です。
例えば、海外・国内旅行などはせず、家賃も最低限。月の生活費を5万円に抑えるなどです。
ミニマリストや自給自足など興味がある人は一つの方法かもしれませんが、多くの人が今の生活水準を落とすことが必要なことなどから、難易度はFat FIREの次に高くります。
Side FIRE(サイド ファイア)
SideFIREは、資産運用による経済的自由を確保しつつ、自身の興味や情熱に基づいた仕事を続けたいと考える人々を対象としたFIREの一形態です。
例えば、資産所得として10万円、自分の事業で10万円、合計20万円で月々生活していくなどです。
このFIREの最大の特徴は、FIREするための必要資金のハードルを下げられることです。運用益10万円であれば、4%ルールに基づくと、約3000万円の資金で達成できます。
また、自分がやりたい事業を選ぶこともできるため、FIREとしては最初に目標とするのは良いかもしれません。ただし、個人事業で収入を得るための準備や繋がり、FIREのための資金をコツコツと貯蓄する堅実性は必要になります。
Coast FIRE(コースト ファイア)
Coast FIREは、退職のための貯蓄をこれ以上続けなくても良い状態です。例えば、60歳までに3000万円の老後資産を目標としたときに、40歳で1500万円の資産があれば、Coast FIRE達成です。
理由としては、年利4%で資産運用を40歳からしたときに、1500万円が3000万円になるからです。
そして、Coast FIREを達成した時点で、それまで貯蓄に回していたお金を趣味や娯楽に使えるため、生活にゆとりが生まれます。
ただし、会社員などを辞めるわけではないので、引き続き仕事をしている必要はあります。
Barista FIRE(バリスタ ファイア)
BaristaFIREは、投資収益と給与所得などの賃金を組み合わせて生計を立てる人々のためのFIRE戦略です。
資産運用による収入だけでは不足する生活費を、就労によって補完するアプローチがBaristaFIREの本質といえます。
例えば、運用益+アルバイトをして働くなどが挙げられます。このFIREを選ぶメリットとして、収入を安定させたい場合や、健康保険に加入するためにBarista FIREを選択することもあります。
Coast FIREの個人事業主で生計を立てるのとは違い、企業に雇用されるということで確実に賃金を確保できます。一方で、収入に限りがあること、職種を選べないことなどが、デメリットとしてあります。
4種類のFIREの特徴を紹介【あなたはどのFIREでリタイアを目指す?】
4%ルールとは
4%ルールとは、リタイア後の生活費を賄うために必要な資産額の目安を示す考え方です。
具体的には、年間支出額の25倍の資産を築き、その資産から毎年4%を引き出して生活費に充てるというものです。
例えば、年間支出が400万円の場合、4%ルールでは1億円の資産が必要となります。この1億円を元手に毎年4%の運用益(400万円)を得られれば、資産を取り崩すことなく生活費を賄えるという考え方です。
元となった論文
そして、この考え方は、1998年に米国のトリニティ大学の教授によって研究・発表された論文が元になっています。
この4%という数値は、米国の株式市場の長期的な平均リターンから物価上昇率を差し引いた値に基づいています。
この論文では、1926年から1976年までの米国の株式と債券のデータを使って、引退後の資産の取り崩し率(withdrawal rate)をシミュレーションしています。
その結果、初年度の引出額を最初の資産の4%に設定し、以降はインフレ率に合わせて引出額を調整することで、30年間資産を枯渇させずに生活できることが分かったのです。
ただし、この論文の前提条件は以下の通りです。
- 投資対象は米国の株式と債券のみ
- 株式と債券の配分比率は50:50
- 投資期間は30年間
- 物価上昇率は年3%
したがって、4%ルールは米国市場の過去データに基づく一つの目安に過ぎず、日本の市場環境や個人の投資スタイル、ライフプランによっては適用が難しい場合もあります。
4%ルールを活用するには
まとめると、4%ルールは、リタイア後の生活費を一定水準に抑えられれば、資産を取り崩さずに永続的に生活できるという前提に立っています。
しかし、実際の運用では年によってリターンが変動するため、常に資産の見直しや専門家への相談などの対策が必要になります。
現実的なFIREとは
総務省統計局の「家計調査報告」によると、2023年の2人以上の世帯の消費支出は293,997円と約30万円になりました。
総務省統計局「家計調査 2022年(令和4年)平均 (2023年2月7日公表)」
Fat FIREをするためには
仮のケースを次で考えてみます。
・現在の年齢:30歳
・FIREする時期:50歳
・50歳以降の月の消費支出:30万円
・FIREに必要な資金:7,600万円(月30万円の資産所得を得られる資産額)
→計算式:30 ÷ 0.06 ÷ 0.79685 × 12 ≒ 7600万
30歳から50歳までで、7600万円を資産形成するのに、毎月の積立額は16.8万円になります。
この積立金額は非現実的ですね。
そこで、FIREの種類を変えてみます!
Side FIREを考えてみる
50歳以降、退職後の空いた時間でスキルや資格を駆使して、月10万円の収入を得るとしましょう。
そうすると、5000万円を50歳までに貯めれば達成することができます。
30歳から50歳までで、5000万円を資産形成するのに、毎月の積立額は11万円になります。
ここでの計算では、月11万円の積立もまだまだ非現実的ではあります。
資産所得を手に入れるためにはそれだけの資産額が必要ということですが、資産形成を少しづつでも行うことで、毎月5万円でもお金がお金を増やす不労所得を作ることができます。
まとめ
FIREは経済的自由と早期退職を目指す生活設計の概念です。
Fat FIRE、Lean FIRE、Side FIRE、Coast FIRE、Barista FIREなど、個々の目標や生活スタイルに合わせた多様な形態があります。
また、4%ルールを参考に必要資産を算出し、収入増加と支出最適化、計画的な投資を通じて資産形成を進めます。完全な経済的自立は難しくても、部分的なFIREや段階的な実現を目指すことで、より自由度の高い生活設計が可能になります。
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